
先日久しぶりに会った友人と
税理士はじめました、など近況を話していて、
「ところで、あなたは誰の味方?税務署?お客さん?」
「うーん、善良なる納税者かなあ」
なんて話をしておりました。
全面的に味方しないの?
「お客さん」と即答しなかったのは、
間違いがあれば正しく対応すべきだからです。
全面的に味方するとは言い切れません。
税理士は税理士法という法律に基づく資格であり、
その使命については税理士法の第1条で明文化されています。
(税理士の使命)
第一条 税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。
脱税行為は犯罪ですし、課税回避や過度な節税も多くの歪みを生むものですので、
是正すべきものです。
また、会社、事業者は営業活動によって利益を生み、従業員への給与を支払い、
成長していくものです。
利益が出るのが正常であり、利益に対する納税は適切に行われるべきです。
税金を納めるのがとにかく嫌、では社会が成り立ちません。
企業理念で「社会貢献」や「暮らしの豊かさ」を謳っておいて
社会を回すための納税をしないなんておかしいですよね?
理想論ではなく
きれいごとを言うつもりはありませんが、
文章にするとなんだかそう見えてしまいますね。
目指すべき姿は健全な経営で、
そうなれば利益が出るので当然納税も必要ですよね、っていうお話です。
それにしても税務署の味方っていうのは、
例えば調査の指摘事項に対してなんでも従う、とかでしょうか?
単純に誤りがあった場合は訂正するしかありませんが、
解釈の違いがある場合や、適正な理由がある場合は当然に協議いたします。
適正な会計処理に基づいた、適切な税額を納付することが目的です。
なので、言われるがままにただ払えばいいとは言いませんし、
どんぶり勘定でとりあえず多めに納めればいい、なんてこともありません。
使える優遇税制などは活用して、会社の発展と経済の発展に資するのがゴールです。
節税に対する考え
どうしても納税はキャッシュが出ていき、負担ではあるため、「節税」の魅力はあります。
しかし、節税を目的に多くの支出をしてしまうと、納税よりも大きなキャッシュが出ていきます。
シンプルに納税よりも資金繰りに対する負担が大きいです。
本当に必要な支出か、判断すべきはそこにつきます。
税金を払うのに抵抗があるのは、その先の使い道ではないでしょうか。
これはもう、有権者として意見を言うしかないので、ここで議論はできません。
ついでですが、Youtubeやネットの「ここだけの話」にはご注意ください。
あの人たちは言うだけ言って責任取りません。
調査で指摘されて「Youtubeで大丈夫って言ってた」なんて通じるわけもなく。
税理士は責任があって真剣に考えているので、
「税理士が教えない」には理由があります。
その辺はご理解いただけるとありがたいなと思っています。